着物のことアレコレ – 株式会社emu(エミュ)
背景 背景
日本の四季をうつすキモノ

着物

2024/06/06

着物のことアレコレ

約20年にわたり、着物の世界に関わってきました。
多くの作家さん、職人さん、問屋さんや呉服屋さんと、お仕事をしてきました。
そんななかで思う、着物を巡るアレコレをつづらせていただきます。

仕事と家庭を両立しているあなたに。
最初の一枚はどれにする?小紋?付け下げ?訪問着?

着物を買う。

最初の一枚を購入するのは、とても大きな決断だと思います。まさに「清水から飛び降りる」という心持ちではないでしょうか。着物を買う際、 本当にどのアドバイスに従えばいいの?というお悩みに、少しでもお応えできれば幸いです。

敬愛してやまない故・木村孝先生は「最初は小紋」とおっしゃいました。
先生がおっしゃる通りで、「おしゃれ」着物の一歩は、小紋(全身に同じ模様がある着物)から始めるのが楽しい。だって、ワンピースみたいに楽しめますから!

しかし、昨今の着物状況を鑑みますと、どの目的で着物をお召しになりたいのかを、まずご判断なさるのが最初の一歩かと思います。本当にざっくりと、分けてみますと……

①人生行事→ご自身やご家族の人生行事でお召しになる場合=色無地・付け下げ・訪問着

②自身のおしゃれの楽しみ→歌舞伎やお食事にお召しになる場合(お稽古事でのお着物もここに入るかもしれません)=紬・小紋・色無地・付け下げ・訪問着

③ご自身のキャリアのため→会社のレセプションやオフィシャルな立場でお召しになる場合=付け下げ・訪問着
(紋がついているかどうか、織りの着物については、別の記事でご紹介します)

ここでは、わたしの経験をもとに③の「仕事・キャリアのため」の着物について、お伝えしたいと思います。

1枚でさまざまなシーンに対応したい

せっかく、お着物を購入なさるなら、1枚でさまざまなシーンに活用したいもの。
お仕事、家族との人生行事、お茶会などのお稽古事……。どんなシーンでも対応できる1枚を入手できれば万能です。
現代の生活スタイルやコロナ禍の影響もあり、お着物をお召しになる方がぐんと減ってしまいました。そんないまだからこそ、お着物で一層のフォーマル感/ステータス感を演出したいもの。ある程度の華やかさも備えつつ、ビジネスパーソンの中にいても、悪目立ちせず、きちんと見える。

それには、「付け下げ」がおすすめです!

付け下げの威力

付け下げは、豪華な模様のものから、さっぱりしたものまで幅広いのが特徴です。
また柄付けも、格のある模様から抽象的な模様やモダンな模様までさまざま。
選択肢がとても広いのです。
いくつかのパターンを考えてみましょう。
①ビジネス上ある程度のお立場があり、お子さんの学校行事でもお召しになりたい場合
→春秋の模様や古典的な模様で、たっぷりとした柄付けの付け下げ
②ビジネスシーンではお迎えする側のお立場で、お子さんの学校行事でもお召しになりたい場合
→季節を感じさせない模様で、やや控えめな柄付けの付け下げ
③ビジネスで華やかな席に立つことが多く、パーティなどへの出席がメインの場合
→箔などを用いた華やかで、たっぷりとした柄付けの付け下げ
④ビジネスでは控えめにしたい方で、趣味のお出かけに活用したい場合
→お出かけシーンに合わせた模様で、ある程度のボリュームがある柄付け

このように、多くのシーンで活用できる付け下げ。
ぜひ、さまざまな場で楽しんでください。